福島でのトークセッション『いわきの今と演劇 Zero』のUst動画を今週ちょこちょこ見ていたんですが、東北復興に向けたアートの役割について平田オリザさんのコメントが興味深かったので、抜粋を以下に書きました。いわゆる「文字おこし」をしたわけではありませんので、表現など不適切な点があればご指摘お願いします。
* 日時:2011年4月21日(木)18:30~20:00
* 【トークゲスト】平田オリザ(青年団主宰)多田淳之介(デスロック主宰)前田司郎(五反田団主宰)わたなべなおこ(あなざーわーくす主宰) いしいみちこ 谷代克明 (いわき総合高校)今尾博之(いわき芸術文化交流館アリオス)
0:30-0:40
日本語は「死なれてしまった」と死ぬを受動態で表すことができる珍しい言語。
フランスで新興宗教の判断をするために沢山の項目。
その中のひとつ、「死者をどう弔うか」
長く続いて来た宗教は喪の意識を持っている。
亡くなった後に、まつりをする、花火をするなど
「ここから先は普通のことをしていいよ」という儀礼が
宗教と芸術が行って来た役割。
宗教には政府が税金から補助などができないため、芸術にはこうした役割も期待される。
「分からないことを説明する」科学コミュニケーションの課題があらわになった。
「分からないこと」を表現して来たアートの役割は大きくなるだろう。
具体的な活動に向けて。
被災地の要望があれば派遣できるようなネットワークづくり。
学校単位での受け入れが去年から進んで来ている。
復興住宅の中にAIRのような仕組みを組み込んでいく。
宗教家もほんとはいなきゃいけないが、税金ではできないので、
アーティストがいるようにする。
悲惨な記憶をどうやって残していくのか。アーティストが必要。
お上に頼らないような本当の意味での自立し持続していくような
発想ができる子どもたちが育っていくためにこそアートが必要。
長期的な視野に立って考えていく必要がある。
いくつか拠点になれる劇場がある。そこに雇用を生み出して、
そこにコーディネーターを置き、派遣していけるようにする。
まずはこれまでの実績のあるところで活動してもらいながら、
ハブ機能を強化していく。
1:00-1:05
生き方が問われてくる
運動場にいることの危険について
毎日マクドナルドのハンバーグを食べるより安全です。
毎日のタバコよりずっと安全です。
ただマクドナルドやタバコは選べるが放射能(の環境を子ども)は選べない。
この状況をつくったのは大人達。
大人達はそこを謝るところから始めなければいけない。
医療統計には現れてこない。8キロ圏内という禁止区域の根拠ははっきりしている。
癌の発生率は1%ぐらいは増える。
自分で考え、議論できる子どもを育てることが、
より他の地域よりも必要だと思います。
1:08-
影響は個別に違う
アートというのは死のシミュレーションになる。
老いとか衰えとかと向き合う いろんな作品を通して
いつまでも安全地帯にいるわけにはいかない。
派遣するアーティストもあまりに傷つきすぎてはまずい。
講習を受けてから行ってもらっている。
個別に見るためにはスキルというより、人数を多くして、
丁寧に見ていくしかない。
比較的成果が見やすいのは
疎開児童に対するワークショップは機能し始めている
1:20-1:23
課題はコミュニティーの再生
買い占めについて。こまばの商店街では買い占め起きていない。
郊外型のショッピングセンターではひどかった。
顔見知りの間では恥の文化は通じない。
お互いに知っている社会に作りなおしていく。そこで演劇などは可能性がある。
私たちの課題として、市立の劇場は沿岸部に直接人を派遣することは業務ではない。
県の仕事である。県立劇場が強いところもあるが今回の場合はたまたま市立のところが活発。
それと、芸術監督がいないから電話一本では済まない。
誰が動くのか、責任を持つのか。日本の劇場はそこまで成熟していなかった。
<<いしいみちこ先生の発言>>
演劇をやっている子は、自分が違っているということが分かっている。
違っていることを恐れずに話すことができる。
大きな声で主張する。ワークショップの中でやっていくと、
私はこう思ったということを言える。
平田:先生向けのワークショップもあちこちでやっている。
ただ先生というのはあくまで先生である必要はあって、
アーティストという異物が入ってくる、変な大人に触れるっていうのが大事。
<<背広の人(いしい先生右側)の発言>>
ワークショップをする上で、
生徒を見ている受け入れ側の意見はかなり大事。
22 May, 2011
『いわきの今と演劇 Zero』平田氏コメント抜粋Hirata-Talk-excerpt
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