2010年の春からStichting Memorable Momentent(通称MEMO)の登録アーティストとして活動している。僕の楽器はメロディカ。ユトレヒトやアムステルダムに続いてハーグでもパイロットプロジェクトが始まり、ハーグで一番最初の訪問演奏をしたのは僕だった。2010-11年度はハーグ音楽院からもワークショップを経た40名ほどの学生が参加している。普段は託児所kinderdagverblijfを中心に行っていて、0歳から4歳の子どもたちに1グループ15分の演奏をするというもの。
アムスの事務所がマネージメントなどは全部してくれて、訪問先と日時とグループ数などをまとめたメールで演奏ブッキングをしてくる。登録アーティストは自分の楽器を持って、約束した会場へそれぞれ出かけて、サインをもらってきて後日事務所に請求するとギャラが事務所から支払われるという仕組み。MEMOの方針として、毎回違うアーティストを派遣するようにしていて、同じ託児所には多くても年に2回程度しか行かないように配分している。
アムスには数人ダンスやパントマイムのアーティストもいるそうだが、ハーグの登録メンバーは全員音楽の学生。ただ僕の場合は踊りや視覚的な要素を入れるようにプログラムをしているので、少々特殊なケース。だいたい最後は子どもたちと一緒に踊って終わるような構成になっている。MEMOのパフォーマンスは全曲暗譜での演奏が求められる。子どもたちとのアイコンタクトはとても大事だし、床に座って演奏とか、ともかく柔軟性が必要な現場という理由もある。
僕が演奏する曲はほぼ自作曲のみ。子どもたちの反応や、先生の盛り上げ方、集中力とか、その時々の状況によって、演奏順を変えたり、曲自体の構成をカットしたり伸ばしたり、その場で即興的に変更し調整していくのは僕の強みでもある。最初から泣いている子が1人ぐらいいるのは日常茶飯事。それでも、そういう子たちも演奏が始まると注意を向けて、笑ったり、うまく行けば手拍子してくれたりするところまで引き込めることもある。そういう瞬間は、こちらも満足感を味わえる。でも、子どもは子ども。泣いている子は、「今は音楽なんか聞く気分じゃない」のである。いちいち気にしていてはいけない。大きくなり社会性を持つようになると、周りに合わせるということを覚えていくが、彼らはまだ正直なのだ。
小学校への訪問演奏というのもある。こちらは5、6歳が対象になっていて、プログラムの進め方が違う。時間が25分と少し長いというだけではなくて、クラスの先生にホスト役になってもらって、音楽番組のように脚本をオランダ語で読んでもらうのだ。登録アーティストにはオランダ語が話せない学生も多いため、この仕組みはとても合理的。解説の合間に演奏を挟んでいくスタイルで、こちらは演奏に集中できる。
途中で楽器の仕組みを解説するコーナーがあったり、子どもたちが楽器の演奏に挑戦するコーナーも入る。インタラクティブ・コーナーでは、僕の場合、曲の変更(演奏スピード早い遅い)に合わせて、踊ってもらっている。こうしたMEMOの大枠に合わせて各アーティストは自分の楽器や専門ジャンルを活かしたパフォーマンスを準備している。
さて、 先日は今年度初めての小学校への訪問演奏があった。この日の訪問先が少々変わっていたので紹介しようと思ってこの記事を書くことにした。出かけたのはDe Piramideという運動能力に障害をもった子どもたちのための学校だった。
事務所からの連絡には
"Please mind that the children have some motoric problems, you can encourage them to dance if necessary, but do not expect a big physical reaction. "
「運動障害がある子どもたちです。必要ならば踊るよう励ましてもいいですが、身体的に大きな反応は期待しないでください。」と書いてあった。
朝8:40から最初のグループが予定されていたんだけど、30分ほど早く到着した。一階建てのピンク色の建物で、なんとも学校らしからぬ雰囲気。先生達の待合室でお茶をいただく。女性の先生ばかりで7人ほど。皆さんもちろんオランダ語で話していたので、僕は全く内容は理解できなかった。で、ぱらぱらと子どもたちが到着し始める。杖をついている子、車いすの子、膝から下がなくて歩いている子。廊下に現れては先生達と教室へ移動する子どもたち。なるほど。なるほど。
両腕に杖を固定した男の子がその部屋の前まできてすってんころりん。思わず、「あっ」と声を上げてしまったが、先生達は至って冷静。「あ、あれぐらいは大丈夫」「あーそうですか」「ほらね」彼はすぐに起き上がって、奥の教室に歩いていった。
普通なら20人ぐらいいるクラスにこの学校は7人ほど。で、みんな補助具を付けていたりして、久しぶりのスクールバージョン(司会入り)だったのに加えて、こちらも始めは緊張してしまいました。2クラスで上演しましたが、どちらのクラスも元気にダンスに挑戦してくれて、子どもによってはかなりはじけて踊っていて、むしろ普通よりも元気なぐらいで驚いてしまいました。
終演後、興味があったので先生に幾つか質問してみました。聞いた先生がそこまで英語が得意というわけじゃなくて、あまり突っ込んだ内容は聞けませんでした。
ここで教えるには普通の教員免許に加えて特別な勉強と資格が必要。こういう学校はハーグでここだけでほとんどの人はハーグ市内からだけど、周辺の街からも来ているそうだ。10代の子たちは道を挟んだ反対側の建物に通っているそう。通常の授業に加えて、フィジオセラピー(理学療法)やマッサージも提供される。車いすや義足などはだいたい生徒が自分で所有しているが、学校でも補助具や車いすなど所有しているそうで、沢山置いてあった。発音の練習などもすると言っていたので、筋肉全体の障害を持った子どももいるのだろう。ただし、視覚聴覚障害や心臓障害などは別の学校があるそうで、ここにはいないと言っていた。
ハーグでここだけというわりには、二クラスだけのよう。ちゃんと学校の数は足りているんだろうか。これ以上専門的な調査はしませんが、オランダの障害児・者教育の現場をかいま見ることになった、貴重な機会となりました。
21 May, 2011
学校訪問演奏 MEMO for students with physical disabilities.
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27 September, 2010
泣く子も黙る
ときどきブログにも書いていますが、子ども向けの出張演奏、MEMOというプロジェクトに参加しています。今日も午前中はMEMOのパフォーマンスで、二カ所の託児所を訪問しました。ホーランド・スポール駅 Station Den Haag Hollands Spoorから近いところ。ハーグでは昨シーズンからパイロット期間として始まりましたが、今シーズンから本格始動。今日のところはどちらも新しい訪問先です。
こうしたブッキングなどの作業はアムステルダムにある事務所が全部やってくれて、僕たち登録アーティストは、本部から事前に予約が入った場所と時間に1人ででかけて、託児所の責任者からサインをもらうことで運営が行われています。訪問先はほとんどが託児所で4歳以下のグループ、さらに小さい赤ちゃんのグループがあります。それから小学校の低学年のグループなどが主なお客さん。僕はマイカー(自転車)の後輪につけたバッグにメロディカを入れて、雨にも風にも負けず出勤しています。
今日はいずれも3、4歳のグループでした。この年齢のグループの時は一回が15分のプログラムで準備しているのですが、一カ所目はあちらの都合で2グループを一緒にすることになりました。到着してから分かった事でしたし初めてのケースでしたが、全部で20人弱ぐらいかな、沢山の子どもたちに見守られてメロディカを演奏しました。時間は2グループ分=約25分あるとはいえ、彼らの集中力もそれほど長く続かないので、頭の中で急いでプログラム変更。即興部分を増やしたり、導入の音遊びを拡大したり、最後の楽器を触るコーナーに多めに時間を取ったりして、どうにか乗り切りました。
子どもたちの反応というのは面白いもので、1人が反応すると、周りも同じようなやり方で真似る。手を叩く子がいたら、みんな叩き始める。きゃー、というと、きゃーきゃー言う。体を揺らすと、みんなゆらゆら。その場の雰囲気を共有する事自体を楽しんでいるのがとてもよくわかる。一方で、あまのじゃくなヤツもやっぱりいるわけで、急接近して来て、鍵盤をぴろっと触る子や、体を横に向けて「私は興味ないのよ、でもちょっとつき合ってあげるわ」と横目で見てくる子などなど。
2カ所目の最初のグループではご機嫌斜めな女の子が途中で泣き始めた(こんなのは日常茶飯事)。だいたいグループリーダー(いわゆる先生)が外とか別の場所に連れ出すもんだけど、今日のリーダーはそのままにしたものだから、他の子たちの集中が逸れる逸れる。曲が終わっても泣き止まないので、急遽変な声とメロディカの合わせ技即興曲を始めて、彼女の鳴き声を真似たり、他の子どもたちと声を掛け合ったりしていたら、よっぽど「変人」だと思ったのか、興味が湧いたらしく、みごとに泣き止みました。大成功!!最後はみんなで楽しくツイストして踊りましたとさ。
終わった後に囲まれて、オランダ語で質問されたりして、でも分からなかったりするのが悔しいけど、「
楽しかった?」と聞くと「たのしいいい!!」ってみんなで答えてくれると、もうたまらなく嬉しいのです。(帰国までに3歳児とおしゃべりできるぐらいにはなりたいものです。ここでは普段は英語だけで不自由なく生活できるのです。)部屋から出る時も大勢で手をふりふりして見送ってくれたりすると、あーこの仕事やってよかったって思う。 自作曲や即興や童謡変奏曲やクラシックやブルースやエスニックなどなど、何でもありのごちゃ混ぜ演奏会でしまいには踊ったりもするという僕のプログラムですが、それなりに子どもたちの間では好評のようです。えがったえがった。
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tomohsmt
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Labels: communication, MEMO
21 May, 2010
MEMO by Melodica
子供たちに音楽を届けるMEMOという活動に参加しています。ハーグでは最初となった僕の訪問を託児施設のサイトに4月9日の記事で取り上げていただきました。
Original, http://bit.ly/auT9t2
Kindercentrum Saïd Dakの記事より (WEBより転載、翻訳:橋本)
2010年4月9日(金)
音楽の探検
Saïd Dak託児センターではこれまでも「思い出に残る時間」を提供してきました。そしてこの度、Memorabele Momenten財団(MEMO)とともに、子供たちがパフォーミングアートと触れ合う機会を持てるようにしました。MEMOは子供たちの成長を応援し、彼らの世界を広げ、日々を豊かにすることを目指しています。
初日は、MEMOミュージシャンのトモがメロディカを持って登場。子供たちはみんなカーペットに丸くなって座りました。トモが歌い始めた時から、本当に静かになって子供たちはじっと見つめ、聞き入っていました。トモは息を吹き込むホースを紹介。そして、鍵盤の部分を弾いてみせました。音楽や動きを使って、子供たちの注意を引きつけました。それは驚きと発見の時間と呼ぶに相応しいものでした。ある子は笑い、ある子は手を叩き、また何人かは立ち上がって踊ろうとしました。一番最後には、子供たちがメロディカの鍵盤を押して演奏もさせてもらえました。
子供たちが夢中になって発見する様子を見るのは楽しいものでした。彼らが日常と違った、まだ知らないものに触れられるチャンスを与えることは素晴らしい事です。そして、この素晴らしい学びの機会を彼らは今後もさらに持つ事になるでしょう。
Saïd Dak託児センターはデイケアと学外活動を提供しています。
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vrijdag, 09 april 2010
"Op ontdekkingsreis in de muziek"
Kindercentrum Saïd Dak heeft sinds een tijdje wel erg gedenkwaardige momenten. Zo komt Stichting Memorabele Momenten (MEMO) geregeld langs om de kinderen bekend te maken met podiumkunst. MEMO stimuleert op speelse wijze hun ontwikkeling, vergroot hun wereld en verrijkt hun dagelijkse leven.
Op de eerste MEMO-dag kwam muzikant Tomo langs met een melodica. Alle kinderen hadden zich in een kring op het kleed verzameld. Vanaf het moment dat Tomo begon met zingen was het muisstil en zat ieder kind gefascineerd te kijken en te luisteren. Tomo liet de kinderen kennismaken met het blaasslangetje. Daarna kwam het toetsgedeelte van de melodica aan bod. Door middel van liedjes en bewegingen wist hij de kinderen hun aandacht vast te houden. Het moment zelf valt het beste te omschrijven als een verwonderd ontdekkingsmoment. Op sommige gezichten verscheen een glimlach, sommige klapten in de handen en enkele gingen staan om een danspasje te wagen. Aan het eind mochten de kinderen op de toetsen van de melodica drukken.
Het was mooi om de kinderen zo geboeid te zien ontdekken. Voor hen is het fijn dat ze naast de dagelijkse begeleiding iets extra’s aangeboden krijgen wat voor hen nog niet bekend is. En deze prachtige leermomenten zullen ze nog vaker gaan beleven.
Kindercentrum Saïd Dak biedt dagopvang en buitenschoolse opvang.

