27 September, 2010

泣く子も黙る

ときどきブログにも書いていますが、子ども向けの出張演奏、MEMOというプロジェクトに参加しています。今日も午前中はMEMOのパフォーマンスで、二カ所の託児所を訪問しました。ホーランド・スポール駅 Station Den Haag Hollands Spoorから近いところ。ハーグでは昨シーズンからパイロット期間として始まりましたが、今シーズンから本格始動。今日のところはどちらも新しい訪問先です。

こうしたブッキングなどの作業はアムステルダムにある事務所が全部やってくれて、僕たち登録アーティストは、本部から事前に予約が入った場所と時間に1人ででかけて、託児所の責任者からサインをもらうことで運営が行われています。訪問先はほとんどが託児所で4歳以下のグループ、さらに小さい赤ちゃんのグループがあります。それから小学校の低学年のグループなどが主なお客さん。僕はマイカー(自転車)の後輪につけたバッグにメロディカを入れて、雨にも風にも負けず出勤しています。

今日はいずれも3、4歳のグループでした。この年齢のグループの時は一回が15分のプログラムで準備しているのですが、一カ所目はあちらの都合で2グループを一緒にすることになりました。到着してから分かった事でしたし初めてのケースでしたが、全部で20人弱ぐらいかな、沢山の子どもたちに見守られてメロディカを演奏しました。時間は2グループ分=約25分あるとはいえ、彼らの集中力もそれほど長く続かないので、頭の中で急いでプログラム変更。即興部分を増やしたり、導入の音遊びを拡大したり、最後の楽器を触るコーナーに多めに時間を取ったりして、どうにか乗り切りました。

子どもたちの反応というのは面白いもので、1人が反応すると、周りも同じようなやり方で真似る。手を叩く子がいたら、みんな叩き始める。きゃー、というと、きゃーきゃー言う。体を揺らすと、みんなゆらゆら。その場の雰囲気を共有する事自体を楽しんでいるのがとてもよくわかる。一方で、あまのじゃくなヤツもやっぱりいるわけで、急接近して来て、鍵盤をぴろっと触る子や、体を横に向けて「私は興味ないのよ、でもちょっとつき合ってあげるわ」と横目で見てくる子などなど。

2カ所目の最初のグループではご機嫌斜めな女の子が途中で泣き始めた(こんなのは日常茶飯事)。だいたいグループリーダー(いわゆる先生)が外とか別の場所に連れ出すもんだけど、今日のリーダーはそのままにしたものだから、他の子たちの集中が逸れる逸れる。曲が終わっても泣き止まないので、急遽変な声とメロディカの合わせ技即興曲を始めて、彼女の鳴き声を真似たり、他の子どもたちと声を掛け合ったりしていたら、よっぽど「変人」だと思ったのか、興味が湧いたらしく、みごとに泣き止みました。大成功!!最後はみんなで楽しくツイストして踊りましたとさ。

終わった後に囲まれて、オランダ語で質問されたりして、でも分からなかったりするのが悔しいけど、「
楽しかった?」と聞くと「たのしいいい!!」ってみんなで答えてくれると、もうたまらなく嬉しいのです。(帰国までに3歳児とおしゃべりできるぐらいにはなりたいものです。ここでは普段は英語だけで不自由なく生活できるのです。)部屋から出る時も大勢で手をふりふりして見送ってくれたりすると、あーこの仕事やってよかったって思う。 自作曲や即興や童謡変奏曲やクラシックやブルースやエスニックなどなど、何でもありのごちゃ混ぜ演奏会でしまいには踊ったりもするという僕のプログラムですが、それなりに子どもたちの間では好評のようです。えがったえがった。

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