21 January, 2011

Istanbul Museum Of Modern Art

トルコ旅行の2日目(2011/1/4)に行ったイスタンブール現代美術館についてです。
※館内撮影禁止だったので写真なしですがご了承ください。

常設展ではトルコのアーティストの作品が沢山見られました。西洋のアートシーンに20-30年ぐらい後から追いかけるようなかたちで留学生達がヨーロッパへ出て行き、当時のヒップな手法を持ち帰ってきた近現代の歴史をかいま見ることができました。印象派ぐらいから順番に手法を吸収して、トルコの文化風景へと持ち込んでいった作品群が見られます。

エントランス正面に地下展示室に降りていく階段があるんですが、その周りを覆うガラスがピストルで打ち抜かれたように無数のヒビが入っています。これは常設だと思いますが、インパクトあって面白い作品でした。

特別展は3つ。
アルメニアン建築の写真展"Armenian Architects of İstanbul"
Ani Çelik Arevyan(写真家)の個展"Nothing Is as It Seems"
Kutluğ Ataman(映像インスタレーション)の回顧展"The Enemy Inside Me"

建築の写真展は期待はずれ。安っぽい観光案内所みたい。パネル写真で建築が紹介されているものの、写真自体のクオリティーが低いのにまず驚いた。地図でそれぞれの位置関係とか、歴史的な流れを混ぜるとか、もうちょっとキュレーターに展示方法を検討して欲しかった。

Ani Çelik Arevyan www.anicelikarevyan.com/
二つ目写真展はなんと偶然作家さん本人が記録用の撮影をしているところで、お話しすることができました。森の写真と洋服やオブジェの写真が上下で組み合わされて、ひとつの構図をつくっている。水面に映ったような位置関係。
話してみるとAniさん自身がISSEY MIYAKEの洋服コレクターらしく、それらを自分の作品に使っている。コラボなのかと思いきや、連絡せずに勝手に使っているらしい。図録とか販売していたけど著作権とか大丈夫なのかちょっと心配な作品で、ISSEY MIYAKEのシャープな洋服たちがかなり存在感を放っている。写真の作家ではあるけれど、この新作群はグラフィックデザインと言った方がいいだろうね。

Kutluğ Ataman www.saatleriayarlamaenstitusu.com/
カツラをつかう女性たちのインタビュー映像作品や、自分が女装して踊っている映像作品『Turkish Delight』(2007)。他に連作で、路上で物乞いをする人たちをモノクロのスロー映像で肖像画のように並べた作品『Beggars』(2010)などはビル・ビオラっぽい見せ方だけど、カメラの手ぶれがあることや被写体のメッセージ性が強いのが違うところかな。角のスペースで5枚のスクリーンを宙づりにして見せていた『99 Ad』(2002)は同じ男が目を閉じて体を前後に揺すっている映像。手前から奥の方にいくに連れて、そのスピードや強度がある種の暴力性を帯びながら強くなっていく。ダンス的な映像インスタレーションで、一番好きだった。近年の作品はセクシャリティーとかヒエラルキーとかかなり社会派的メッセージのはっきりしたテーマ設定をしている印象を持ったものの、作品自体は以前の作品の方が強い感じがしました。
 

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