2010年12月10〜22日に滞在したテルアビブでのレポート記事その5です。
オハッド・ナハリンが開発したダンスメソッドGagaのクラスを受講しました。
【イスラエル滞在3日目: 12/12 Sun】
風で公園の木がなぎ倒されている。 |
今日は青空が見えている。 |
スザンヌ・デラル・センター |
今日からの基本スケジュールはこんな感じ。
10:00-11:30 Gaga dancers class
12:00-14:00 Repertoire of Ohad Naharin
14:00-15:00 Lunch Break
15:00-17:00 Gaga method
で、初ガガを体験。指導はバットシェバ舞踊団の芸術監督Ohad Naharin。全部英語で行われた。先生がスタジオの中心に立って、参加者は周りを囲むように全体に広がる。繊細な指を、手を、腕を空間に浮かべて。周りの情報を感じる。体のあちこちでカーブを描いたり、体の中をエネルギーの「タマ」が移動するイメージをつくったり。骨盤pelvisや背骨spineを揺らす。ぐねぐね体を波のように動かして、ストレッチを喜びにつなげる。自分の骨や肉を意識するための指示がいろいろな言葉で投げかけられる。別のタスクに移る時も、今の状態をキャンセルしないようにとFloat=自分を浮かべるような状態を指示される。ボリュームを下げるだけで、多層的な課題を積み重ねていく。それほど激しい動きではないのだが、体が暖かくなっていくのを感じる。重心を変えていく。片足に立つ。反対の足の付け根をいろいろな方向へ回す。外へ、内へ。体の中心へ意識が向かったガガ第一回目となった。
40人以上のダンサーがそれぞれの形を探して動く。BGMは流れているものの、あくまでも流動的にそれぞれのテンポで動く。リズムに合わせて踊ったり、ステップやポジションを覚えたり、高く足を上げたりといったバレエのようなトレーニングとは対極にあるもの。各自が同じ課題に取り組んでいても、その解はいろいろな形を持って体に表れて来る。このメソッドが一般の人たちにも開かれているのがここからも納得が行く。
午後はレパートリー。バットシェバの作品の一部をカンパニーのダンサーから教わる事ができる。この日のレパートリーはボレロの音楽を使ったシーン。性格の違う動きが矢継ぎ早に展開され、それに翻弄されるような振付。「ストーリを持つ」ことが動きを生き生きとさせる。ついていけるか心配していたレパートリークラスだったが、結構丁寧に指導してくれたおかげで、どうにか今日の部分はこなせるようになった。
Studio Varda |
夕方のメソッドは朝よりもっと細かいところへ注意を向ける感じで、骨盤の使い方をより意識しフロアに座ったところからどうやって寝転ぶか。足のエネルギーを注ぎ込んで起き上がる。他にも片足で立って頭を下にして、反対の足を持ち上げる姿勢で同じく骨盤と足の骨の付け根を意識したりと、結構解剖学的な指導だった。
ガンガンに踊るバットシェバの作品から、かなりハードな一日を覚悟していましたが、思っていたよりは楽なメニューで、どちらかというと頭も結構使うような内容でした。
夕食はcafe-cafeという劇場のレストランでYoheiくんとパスタ。講習会参加者なので10%割引してもらえました。店で食べていたらバケツをひっくり返したような大雨。
夜はインターナショナル・エクスポージャーの最終日。Billという公演を鑑賞。すんごい密度の濃い作品だ、ということまでは分かったのですが、初日で疲れていたのか中盤で眠ってしまいました。批評する資格なしなので動画だけ貼っておきます。こんな感じ。これはOhadじゃなくてSharonという人の振付作品です。
『Bill』 Cho:Sharon Eyal // Batsheva Dance Company
レポートまだ続きます。
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